白髪染めのあと縮毛矯正はできますか?かけられる髪と、かけない方がいい髪

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白髪染めのあと縮毛矯正はできますか?

ほとんどの場合はかけられます。ただし、できるかできないかを分けているのは「白髪染めをしているかどうか」ではありません。どういったかたちで、どれくらいの頻度で染めているか、もともとの毛質や体力、そしてハイライトやブリーチが入っているかどうかで決まります。

白髪染めは根元が伸びるたびにリタッチカラーなどで繰り返します。早い方で三週間とかで。

そこで、根元だけを染め直している方と、毎回毛先までカラーしているかたとでは、同じ「白髪染めをしている髪」でも髪のダメージレベルがまったく違います。縮毛矯正の薬剤は、それぞれの髪のダメージレベルや状況に対して反応が変わります。

なぜ「髪の体力」で決まるのか

縮毛矯正は、髪の中の結合を薬剤でいったん切り、アイロンで形を作り、もう一度つなぎ直す施術です。これに耐えられるかどうかを決めているのが、髪の弾力──私が「髪の体力」と呼んでいるものです。濡らして引っぱったときに、元へ戻ろうとする力のこと。健康な髪は戻りますが、体力が減った髪は伸びたまま戻りません。

白髪染めはアルカリでキューティクルを開き、過酸化水素でメラニンを削りながら染料を入れます。1回で髪が壊れるわけではありませんが、同じ場所に繰り返すぶんだけタンパク質と脂質が抜け、髪の中はスカスカになっていきます。意外と知られていませんがカラーって実は使い方では縮毛矯正よりもダメージリスクがあったりするんですよね。

体力が減った髪に縮毛矯正をかけると、薬剤に髪が耐えられず、表面が荒れたり内部の結合が戻りきりません。白髪染めの方の髪は特に体力が減ってきているエイジング毛だったりします。これが「白髪染めをしていると縮毛矯正がかかりにくい・傷む」と言われる中身です。白髪であることそのものが原因ではありません。人によっては白髪がものすごく元気で元気すぎて逆に薬剤が浸透しにくいケースもありますが。

かけられる可能性が高い髪

  • 白髪染めは根元のリタッチが中心で、毛先まで毎回重ねていない
  • ブリーチ、ハイライト、白髪ぼかしハイライトを一度も入れていない、もしくは入れているところにはかけない
  • 前回の縮毛矯正から根元が伸びていて、新しく生えた部分だけにかけられる
  • 濡らしたときに極端に伸びたり、ぬるついたりしない、引っ張った時にプチッと切れない

慎重に判断する髪・かけない方がいい髪

  • 白髪ぼかしハイライトなどブリーチが入っている髪
    40代・50代で増えている施術ですが、ハイライトの筋の部分はブリーチが入っています。周りの髪が耐えられても、その筋だけが切れます。何年前に入れたものでも、その部分が残っている限り同じ。
  • 明るめの白髪染め(明るさを出す薬剤)を毛先まで何度も繰り返している
  • 前回の縮毛矯正がかかっている範囲に、もう一度重ねる必要がある場合
  • 濡らすとゴムのように伸びる、乾かすとザラつく、指が引っかかる
  • ヘナで染めている髪
    ヘナは髪の表面に定着して薬剤の入りを妨げるため、縮毛矯正がかかりにくくなります。さらに、金属塩を混ぜたタイプのヘナは、縮毛矯正やカラーの薬剤と反応して発熱することがあります。ヘナを使っている方は、それだけは必ず先に伝えてください。

実際のサロンワークでは、まず乾いた状態で髪の表面と、これまでの履歴を確認します。そのあと、必ず濡らして確かめます。乾いた髪では分からないことがあるからです。濡らしたときの弾力、引っぱったときの伸び具合、水の吸い込み方。ここでゴムのように伸びて戻らなければ、その部分にはかけません。そのうえで、かけるなら癖が伸びてきた根元だけか、全体かを決めます。判断は私だけでせず、これからどんな髪でいたいかをうかがったうえで、お客様と一緒に決めます。

無理にかけるとどうなるか

1. チリチリになる(ビビリ毛)
薬剤が入りすぎて結合が戻らなくなった状態です。元には戻りません。トリートメントで一時的に手触りは変わりますが、直ってはいません。最終的には、その部分を切ることになります。

縮毛矯正でチリチリになった髪(ビビリ毛)の毛先
これは元に戻りません。トリートメントで手触りは変わりますが、直ってはいません。

2. 色が抜けて明るくなる
縮毛矯正の薬剤は時によっては白髪染めの染料を飛ばします。かけた直後に色が明るくなることがあります。これは失敗ではなく、起きるものとして先に知っておくべきことです。

3. かけたのに、伸びない
髪の体力が減った髪は、切った結合を戻す力が足りません。薬剤とアイロンでダメージだけを受けて、クセは残ります。ただし、これは薬剤が弱すぎてただかからなかっただけ、というケースもあります。

4. 見た目には出ず、次の1回で出る
今回は無事でも、ダメージは蓄積します。「前回は大丈夫だったのに」で起きるのがこのパターンです。

縮毛矯正の前に、美容師に伝えてほしいこと

これは当店に限った話ではありません。どこのサロンで受ける場合でも、この5つを伝えてもらえると、判断の精度が変わります。

  1. 白髪染めの頻度と、最後に染めた日
  2. 根元だけを染めているか、毛先まで染めているか
    ご自分でも意外と分かれます。「美容室では根元だけ、途中で市販のカラーを毛先まで」というケースは珍しくありません。
  3. ハイライト・ブリーチ・白髪ぼかしの有無(何年前でも)
    すでに黒く染め戻していても、ブリーチした事実は髪に残っています。染め戻した髪は、見ただけでは分かりません。
  4. 市販のカラー剤・ヘナ・カラートリートメントを使っているか
  5. 過去の縮毛矯正・パーマの時期と、かけた範囲

「傷んでいると言われたくない」と、少なめに伝えてしまう方がいます。お気持ちはわかります。ですが正確に伝えたほうが、断られるのではなく、かけられる方法を探せます。もちろんプロとして我々もしっかりと言われなくても判断がつくように努力しておりますので、お互い半歩づつ寄り添って伝え合いましょう。

当店の場合

何日空ければいい、何回目なら大丈夫という決まった数字はありません。髪の状態次第なので、日数では決められないというのが正直なところです。

もし仮に縮毛矯正の施術が難しいと判断した場合、髪の普段の扱い方、カット、ホームケアでのケア、サロンでのケアなども含めていつ頃にどんな状態になったらかけられるのか、をお伝えいたします。中には傷んでいてもカットはしたくない、長さは残したい、などのご要望もあるので、なるべくご要望はお伺いいたしますが、プロとしてしっかりとお伝えさせていただくこともあります。長い目で見て最適を探っていき、お伝えするようにしてます。

縮毛矯正のメニューと考え方はこちら、白髪染めについてはこちらにまとめています。


この記事は「白髪染め済みの髪に、縮毛矯正をかけられるか」です。以下は別の記事で書いています。

  • 白髪染めと縮毛矯正、どっちが先か/同じ日にできるか(※未公開・記事#2)
  • 縮毛矯正のあと、白髪染めは何日空けるか(※未公開・記事#3)
  • 白髪に縮毛矯正をかけるとチリチリになる理由(※未公開・記事#4)

白髪染めと縮毛矯正を長く続けている髪は、履歴が一人ひとり違います。美容室I’Mでは、カウンセリングで髪の状態を確認したうえで、できること・できないことをお伝えしています。かけるかどうか迷っている段階でのご相談だけでも構いません。

この記事を書いた人:伊藤

美容室I’M(草加市栄町)オーナースタイリスト。2018〜2023年、美髪ケアの講師として全国でセミナーを担当。業界誌「ネクストリーダー」「ビューティーギャラリー」掲載。オリジナル商材を開発し、メーカーとして全国の美容室に卸しています。

美容室I’M(草加市栄町/東武スカイツリーライン 獨協大学前駅 東口 徒歩3分)
完全予約制

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